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さんたでも勝てない。

2005年08月15日 12:39

さんたは必死だった。
満面の笑顔を見せた。
あたかも訓練された犬のようにビシッとお座りも決めてみた。
文字通り奥の手である「お手」もやった。
飛び跳ねてみた。
くうーんと甘えた声を出してみた。
考えられるあらゆる手段を使った。

それでも、ご主人様は振り向いてはくれなかった。

さんたは一生懸命訴えた。
お散歩に行こう!
僕かわいいでしょ?
ねえ、こっち向いて。
大好きなパパ!僕の顔を見て!
お散歩楽しいよ、僕と一緒にお散歩に行こう。

しかし、笑顔も甘えた声もいい子ポーズも、もはやご主人様には通じなかった。

僕の大好きなパパは、もう振り向いてくれないのかな?
あんなに優しかったのに、いつも僕を撫でてくれたのに…

不安に陥ったさんたは、ますますテンションを上げ、自分がどれだけご主人様を慕っているか訴えた。
やがて、見るに見兼ねた細君が、さんたを散歩に連れ出した。
道々、さんたと細君は多くの人々に声をかけられた。

あら、今日はパパじゃないの?パパはどうしたの?

細君は、さんたの頭を撫でながらため息をついた。

実はだいすけの故郷広島の高校が甲子園でいま試合をやってるんですよ。
だから、テレビ中継に夢中になって応援してるんです…別に母校というわけでもないのに、ほんと、広島の野球の時は…

さすがのさんちゃんも、広島には勝てないのね、ははは。



当たり前じゃ。
さんたどころじゃあるかい。
こっちゃあ、会社まで休んどるんじゃ。
何がなんでも勝ちたいんじゃ!

でも、ピッチャーの乱調に、5つのエラー、13残塁。。。

惨敗だった。
泣くになけなかった。

夏は終わった。

試合終了後ほどなくして、さんたとヨメが帰ってきた。
力なく出迎える僕。
あちこちでさんざんいい子いい子されて大満足満面笑みのさんたがルンルンでリビングに入ってきた。

パパー、ごはんごはーん♪


夏は終わった。



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