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さんたおむつ日記 その5

2005年10月19日 12:29

9月26日(月)

おむつ生活の基本は、「監視」。

おむつだけだと、さんたがまた舐めたりかじったりして傷が広がるといけないので監視していなくちゃいけない。
これがけっこう大変。

何をするにしても、さんたのそばで、さんたの動きがわかるように、さんたを常に意識していなくちゃならない。
テレビやインターネットに集中するのはもちろん厳禁で、トイレだってダッシュする。
こうやって昼間はヨメがず~っと監視し、夜は寝るまで僕が監視する。
寝てる時はと言うと、おむつの上からパンツを穿かせ、さらにお尻部分をガムテープで補強する。

とは言え、エリザベスもコルセットも外したさんたは、もうあまり傷を気にしていないようである。
時々、お尻周辺を舐めようとするものの、その回数も日増しに減ってきた(あれ?変な表現だ)。
傷口の治りもずいぶん早いようで、先生のところに行くたびにさんたの回復を実感できるのがうれしい。

それにしても、診察室で大の大人が額を寄せ合って、犬の肛門を覗き込んでは喜んでいるというのは珍妙な光景である。
また、先生の奥様など、離れた所で何か別の仕事をされていても、「待って待って!あたしも見る~っ!」なんて駆け寄ってくるくらいだから、さんたのお尻もなかなかの人気である。
まあ、うらやましくもないけれど。


それから、先生の腫瘍に対する正式な診断結果が下された。
肛門周囲腺腫。
良性で、再発の心配もないだろうとのこと。

診察室で、自然に笑みがこぼれてくる。
軽口がついて出る。

不安は払拭された。
あとは傷を癒すだけ。
家の中が、ずいぶん明るくなってきた。



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さんたおむつ日記 その4

2005年10月14日 12:30

9月22日(木)

さんたの傷が開いてから3日。
当初は苦しそうなさんただったが、このところずいぶん落ち着いてきたようで、こちらも少し気が楽になってきた。
ただ、毎朝夕、散歩の後に先生のところでケアを施すため、僕とさんたとの早朝お散歩は「お預け」となったのが残念至極である。

さんたは僕に似て、夜寝るのがすごく早い。
19時半くらいに家に帰ってきても、もう寝てたりする。
ご存知だと思うけれど、さんたは「睡眠欲」を何よりも優先する子である。
僕が帰ってきて「ただいま」って言ったって、足は上げても目は開けない。
だから、さんたと僕の平日のコミュニケーションはもっぱら朝だけで、つまり僕にとって朝のお散歩はとてもとても大切なものである。
早朝の新鮮な空気とさんたとのお散歩が、僕のビタミンであり、東京という現代のソドムで働く原動力なのである。
それを取り上げられちゃうと…

もう、僕には会社をサボるしかないじゃないか。

というわけで、この頃はよく会社をサボっては、夕方くらいに家へ帰ってきた。
これも自分のため=家族のためと言い聞かせ、大して用のない取引先にアポを入れて外出し、そのまま直帰するのである。
自営業だったら絶対にこんなことできないよなあ、サラリーマンって良い稼業だなあ…とサラリーマンという道を選んだ自分を賢いと思った。

さて、この日は直帰ではなく普通に家に帰ってきたんだけれど、家に帰って来ると笑顔のさんたとヨメがいた。
切り取った腫瘍の検査結果「速報」が届いたのである。
検査会社からFAXで届いた結果を、ひとまず先生が電話で知らせてくれたのである。

検査会社の判断は、「良性」。
先生は検査会社の判断だけではなく、検査会社から送られてくるカットされた細胞を自分でも確認してから診断を下すので、最終的な結果は月曜日に細胞が届いてからのことになる。


ヨメは僕の顔を見るなり、「良性だって!」と叫んだ。
実を言うと、検査のことなんて、この3日のドタバタですっかり忘れていた。
傷口のことで頭がいっぱいになって、そもそもの腫瘍のことも忘れていたので、最初僕は「良性」と言われても、何のことかさっぱりわからなかった。

だ:え?何?
め:良性だって!
だ:は?リョウ…セイ…?
め:良性だって!!
だ:え?あっ、良性!?さんた、良性!?
め:そう!良性!
だ:やった…、良かった。。。

どう喜んでいいのか、わからなかった。
うれしいことはうれしいんだけど、それよりも、ほっとしたというか、全身から力が抜けていくような気分だった。
どんな顔をしたら良いのやら、涙があふれてきた。
ヨメも泣いていた。


さんただけは笑顔で、僕たちを見つめていた。
僕は最初っからちゃーんとわかってたんだよ♪、とでも言ってるみたいだった。


さんたおむつ日記 その3

2005年10月12日 12:31

9月20日(月)

さんたはエリザベスカラーが大嫌いで、これを着けると傷口は舐めずに済むかもしれないけれど、落ち着かない、眠れない、じっとしていられないの「3ない運動」が始まってしまう。
これは本人も辛いだろうけれど、周囲としてもすごく困る。
夜眠れないし、僕たちも心配で仕方がない。

で、今回の手術ではニューアイテムとして、首に着けるコルセットのようなものを先生が取り寄せてくれた。
首をほとんど曲がらないように固定することで、傷のある肛門まで口が達しないようにしたわけだ。

ところが!

こういった人間の目論見を見事に撃破するのがピレである。
脱走防止にフェンスを立てれば乗り越え、金網を張れば食い破り、超えられないほど高く食い破れないほど頑丈なフェンスを立てれば地面に穴を掘って脱走する…その名もグレートピレニーズである。

世界一ピレらしくないとはいえ、さんたもやっぱりピレだった。
コルセットで首がほとんど曲がらないにもかかわらず、肛門付近まで首を伸ばし見事に自分で抜糸してしまった。
どんな風にやったのかわからないけど、とにかく、やっぱりピレってすごいと思った。

なんて呑気なことは言っていられない。
傷口がぱっくりと開いてしまっている。
実は、この日が一番の修羅場となってしまったらしい。

「らしい」というのは、僕はこの日会社に行っており、詳細はよく知らない。
傷口がぱっくりと開き、そこから「ショウエキ」なる液体(漢字がわからない)がどんどん流れてきて、さんたはどんどん、ぐったりしていき、ヨメは半泣きで右往左往したようである。
さんたのこの「傷ぱっくり」はかなり重症で、さすがの先生も診察室で「う~ん」とうなってしまったそうである。


その夜、僕が家に帰って来ると、玄関におむつを着けたシロクマが寝転がっていた。
ヨメの疲れ果てた表情が、さんたのおもしろい姿とは対照的で思わず笑ってしまう。
何でも、これから毎朝毎夕、散歩の帰りに先生のところへ通い、消毒と肛門に特製の秘薬を詰めてもらうことになったそうである。
薬を詰めるので、テープでお尻の穴に蓋をしてふさぎ、さらにおむつを穿かせたということである。
先生の奥様によると、「全部ふさいじゃった子は初めてだわ」だそうである。


またひとつ、グレートピレニーズに伝説が生まれた…じゃない、さんたのおむつ生活が始まった。


さんたおむつ日記 その2

2005年10月03日 12:31

9月17日(日)

待ち切れない思いで、朝一番にさんたを迎えに行った。
さんたは最初、少しイジケた様子だったけれど、すぐに甘えに来た。
えーん、さみしかったよ~、とでも言うように頭をすり寄せて甘えてくる。
昨晩は本当に不安だったろうな、と思う。

すっごく元気だったのに、腫瘍が見つかったので入院して手術。
僕たちからは置いて行かれるし、お尻は痛いし、さんたとしては踏んだり蹴ったりである。
入院中はすっごくおいしいウエットフードが出されたにもかかわらず、一切食べなかったらしい。
辛い過去を思い出したんじゃないかと思うと、なんだか涙が出てきた。
今度から入院の時は、僕も付き添い入院させてもらおうかな。

退院して家に帰って来ると、さんたは玄関に入った時から急にハイテンションになってきた。
しっぽを上げて、満面の笑顔になって、得意の舌ベロが踊っている。
足を拭くのもそこそこに、2階へ駆け上がるさんた。
すっごくうれしそうに、しっぽを上げてリビングを一周するさんた。

さ:おうちに帰ってきたよーーっ!!(ドタバタ)
だ:さんた、走らないの!ゆっくり!!
さ:おうちに帰ってきたんだもん!うれしいんだもん!(しっぽブンブン)
だ:さんた、落ち着きなさい!
さ:あ、もりにゃん、ただいま~!(べろん)
だ:あ~っ、もり!よけて!

ひとしきりはしゃいだ後は、のどが渇いたことを思い出したらしい。

さ:とーさん、のど渇いた。お水お水!
だ:あ、お水ね、今あげるから、ちょっと待って
さ:お水!お水!お水!
だ:はいはい、ま~てっ!
さ:じっ。ぼく良い子。はやくはやくっ!
だ:よしっ!
さ:がぶっがぶっがぶっがぶっがぶっがぶっ…
だ:さんた、慌てて飲まないの!ゆっくり!

入院している間も水を飲まなかったのか、さんたはいつも以上に水をがぶがぶ飲んだ。
あっという間に、水飲み用の金たらいが空っぽに。
とにかくのどが渇いていたようで、お水のおかわりまで注文する勢い。
さすがにこれは飲み過ぎ…と思って途中で取り上げたんだけど、約15分後、さんたは飲んだ大量の水をそっくり吐き出してしまった。

その後は、ごはんを半分くらい食べてようやく横になったが、やはりのどが渇くらしい。
あるいは、のどが渇いていると思い込んでいたのかもしれない。
やたらと水を飲みたがったので、お水の容器を片付けた。

さんたは横になったものの、疲れきってぐったりしているように見えた。
寝方が、いつもと違う。
たぶん、入院が相当こたえたんだろう。
昨日切り取られた腫瘍は、すでに検査会社へ送られていて、来週末には結果が出るらしい。
検査の結果も気になるけれど、今は目の前のさんたの痛みとかストレスを和らげてあげたい。

僕は、さんたの白い身体を撫でつづけた。




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